資格を取って好きな仕事へ転職

私は最初の就職先では事務員をしていました。仕事内容は従業員の給料計算や各書類の手続きをするなど総務的なものでした。社会人になってから初めての仕事でしたので、最初は学ぶことも多く、失敗して叱られることもありましたが、新鮮で刺激のある日々を送っていました。

それから2年ほどすると失敗も少なくなり、仕事にもずいぶん慣れてきました。そして後輩にも仕事を教えられるようになり、自分の業務についてやり甲斐を感じるようになりました。さらに2年ほどたつと、自分で言うのもなんですがOLとして貫禄がついてきたような気がしました。ところが仕事がスムーズにこなせるようになったのはよかったのですが、それと同時に日々の刺激も薄れ、やり甲斐を感じることもなくなり、惰性的な日々を送るようになっていきました。

そんな日々を過ごす中、心に刺激を感じるようなことをしたいという気がしてきました。そこで何か勉強をしようと思い、英語の勉強を始めることにしました。実は事務員になる前、私は英語に携わる職業に就きたいという夢を持っていたのです。しかし就職活動のときに希望した仕事がなく、とりあえず事務員として働こうと思って就職していたというわけです。OLになってからは英語の勉強と遠ざかっていましたが、これを機に再び勉強することにしました。幸い仕事は残業がなく5時には帰ることができます。そこで仕事が終わってから英会話スクールに通うことにしました。英語に触れるのは久しぶりだったので最初は緊張していましたが、その緊張が心地よい刺激になりました。

そうやって勉強しているうちに、夢だった英語に携わる仕事に転職しようと思い始めました。そしてせっかくなら英会話だけでなく資格を取ろうと思い、英語の資格試験では主流の英検とTOEICにチャレンジすることにしました。資格があれば自分の実力が客観的に分かります。そのことが転職するときに有利になると思ったのです。資格を取ろうと決意してからは仕事の昼休みも単語を覚えるなど、勉強するようになりました。英会話はスクールに行って学べますが、資格試験の勉強は自分でするしかありません。そのころになると「資格を取って早くこの会社を辞めたい」という気持ちになっていました。

そしてついに目標としていた資格を取得し、念願の英語に携わる仕事に就くことになりました。今度の仕事は塾の英語講師です。大学時代に家庭教師のアルバイトをしたこともあるため、この仕事ならできるだろうと思い転職しました。それに私は昔から教えることが好きだったので、教えることを仕事にできたことに関しても嬉しく感じました。転職してからというもの私は水を得た魚のよう活動的になりました。これまで自分が勉強してきた知識を、生徒さんたちに教えて役に立てることが嬉しかったのです。授業をするたびに役に立てているのだという実感があり、それがやり甲斐になり刺激的な日々を送ることができるようになりました。今度の仕事では何年たっても毎日が充実していて、前職で感じたような惰性的な気持ちにはなりません。

今では塾講師に転職して良かったと思います。会社員のほうが残業はなく給料も安定していましたが、充実した毎日を送ることはできませんでした。塾講師の仕事は昔から携わりたかった英語を使う仕事であること、また、「物事を教える」という自分の好きなことが活かせる仕事であることから、何年たっても充実した日々を送ることができています。異業種に転職した経験から、転職するなら自分の好きなことが活かせる仕事を選ぶのが良いのではないかと思います。そのほうが後悔することもありませんし、前職よりも有意義な生活が送れるのではないかと感じます。