冷静かつ現実的な就職活動

大学3年夏に1年の留学から帰ってきて、その年の10月から就職活動がスタートしていました。スイスに行っていたのですが、日本人にありがちの海外に行くと何でも出来るような気持ちになっていました。そして、日本的な事がとてもバカバカしく思えていたのです。

就職活動を始めた時は、髪の毛もやや染めたまま、みんなと同じようにリクルートスーツを着るのもバカバカしく、就職サイトのエントリーや説明などほとんどといって良いほどやっていませんでした。そして、留学していた経験があり、就職氷河期も抜けていたので、なんとなく自分は大丈夫、どこか内定をもらえるだろうと甘い考えでいました。外国語はちょっとうんざりしていた分、少し興味のあるおもちゃ屋や食品メーカーなど大手メーカーにばかりエントリーしていました。こんな状態でもちろん内定どころか、選考に進めるはずもなく、書類選考すら通らないという日々が続きました。

年が明けて、さすがにまずいと思い、髪も黒く染め、目についた会社にエントリーし、会社を選ぶ余裕もなくなってくると自分の経験に全く関係のない会社を受けるようになっていました。4月が過ぎ、チラホラ内定をもらう友人も増えてくると更に焦ります。自分に自信がなくなり、泣いては闇雲にエントリーするという日々でした。様々な会社を受けた中で商社が比較的選考に進みやすいことに気づき、最終的にはその中の1社の営業アシスタント職として内定を頂くことが出来ました。高校も英語科で大学もドイツ語を学んでいた私はやはり言語を武器に就職活動に挑むべきで、紆余曲折したものの最終的には言語を活かした会社に就職出来たのです。

しかし、就職活動当初から冷静に自己分析し、言語を活かすことに早く気づいていれば多様な会社にアプローチ出来たのではないかと思うのです。就職活動当初は名の知れた企業名しか知らず、大手の会社ばかりエントリーしていましたが中小企業でも立派な会社はたくさんあります。興味のある会社をただ選ぶのではなく、自分がその会社でどう役に立てるかを考え、強み+興味のあることで会社を絞るべきでした。自分の強みが活かせそうな会社、ドイツ関連の商品を扱う企業や商社、また商社だけでなく、乙仲業者や、船会社など、上辺の情報でなく取り扱い商品や関連した企業を詳しくチェックして、限りある期間の中で絞った企業の説明会のみスケジューリングすべきでした。

また、グループディスカッションは得意だったのですが、面接ではどんな企業でも同じような上辺の言葉を羅列してしまう傾向があり、面接で落ちてしまうということが非常に多かったです。それを踏まえて、まずは冷静に自己分析をして自分はまずどういう人間かを知るべきでした。自分にはどういう経歴があり、何故それをするに至ったか、それをするために何をして何を学んだか、それがどう活かせるのか、冷静に考えた上で、次は企業と自分とのつながりを考えます。その企業で何が出来るのか、どこに惹かれたか、その企業に入ってどういう自分になれるのかをしっかり想像し、1社1社考えた上で面接に挑むことが出来たら良かったです。

最後に社会人経験者の意見をもっと聞けばよかったという後悔があります。昔から、OLといえば、お茶くみや雑用などOLに対してやりがいや面白みのない暗いイメージを持っていました。実際働いてみると全くそのようなことはなく、幅広い仕事を任せてくれるのでやりがいもあり、そこから身につくスキルは数多くありました。企業や仕事内容によってOLの仕事は様々で「OL」という漠然とした雑用係というイメージとはかけ離れたものだったのです。そのことに気づくために、自分の親や兄弟、先輩から実際の社会像を聞いて、自分の想像と社会を近づける作業をするべきであったと思います。

冷静に自己分析し、現実的な企業選びの上、就職活動をすると今よりもっと幅広くスキルを活かした会社を見つけることが出来たのではないかと思います。